城 隆志選手
右側が笹原選手の奥様
サインをしてあげる笹原選手

 2006年10月29日朝、秋もそろそろ深まる今日、車いすマラソンは開催された。天候に恵まれ、どちらかというとまだ、9月のような感じで、選手にとっては、苦しいものになる…そんな日だった。

 午前11時、大分県庁前をマラソンの選手が一斉にスタート。さあくるぞとカメラを構えて待ち構えていると、あっという間に、駆け抜けいていく。今大会では、オムロン太陽から笹原選手(ゼッケン2)と城選手(ゼッケン61)がマラソンに出場している。二人を見つけるにはオムロンブルーのユニフォームを探せばいい。

 300mm近い望遠で探す。「いた!」すかさず連写。シャッターを切る音よりも駆け抜ける選手のほうが早い!カメラの中にいた二人の腕は、力強く、車いすをこぐというよりも、はじく。そう、ジャンプしているようだった。バッタのジャンプ力はすごいが、車いす選手の腕力も負けていない。

 西大分からのもどりを応援するため、弁天大橋の上りにて待つ。笹原選手は、トップ集団の中にいた。飛び出す気配もないが、遅れている気配も無い。駆け引きをしているのかもしれない。ファインダー越しにみると、外国人選手がしきりに笹原選手を見ていた。肉体的にも精神的に強くないと勝てない。すごいと思った。
 数分後、城選手が弁天大橋に来た。会社で見せるクールな表情と違い、必死さを感じる表情だった。

大分陸上競技場でゴールを待つ。ハーフマラソンの選手が入ってきた。ホンダの二人が独走状態。マラソンはリハビリではなく競技だ。同じホンダであることに関係なく、競っていた。ゴールの瞬間を連写したがどちらが1位かわからない。それだけ競う厳しい競技だということだ。

 20〜30分後、マラソンの選手が競技場に近づいたと場内アナウンスが響いた。笹原選手が、トップに出ようとしていた。競技場に入ってきた!笹原選手がトップだ!しかし、わずかの差で2位の選手が入ってくる。トラックを1周しないといけない。見ていると抜かれそうだ。少しづつ差が縮まっているようにも見える。どうなる!

 ゴールの瞬間を連写!やった!1位だ!笹原選手が1位だ!笹原選手もゴール直後にガッツポーズを見せた。そして、驚くことに、日本新記録でゴールしたとアナウンスが流れた。それだけではない、6位までが日本新記録だという。それだけ、熾烈な競技だったということだ。

試合後、小学生らのサイン攻めに快く受けている笹原選手をスナップした。
競技中とは違い、穏やかで優しい感じだった。精一杯がんばったからこ
その、穏やかさなのだろうとおもった。
(ルポ&フォト:狸猫師匠)

サインをしてあげる笹原選手
サインをしてあげる笹原選手
 今回オムロン太陽から笹原 廣喜・城  隆志二名が出場し、二人とも別府田浦ビーチより西大分までの距離を練習に励んできた。大分県庁前がスタート、大分市営陸上競技場をゴールとした男子フルマラソン42.195k。優勝争いはトラックレースにまでもつれこむ混戦となったが、トップでスタジアム入りした笹原選手がリードをそのまま保ち優勝した。

 城選手は
体調不調により2週間ほど入院し、全快まで行かなかったが大会へ出場した。前半は好調のスタートを切ったが1キロ過ぎるとペースが乱れ始めた、しかし折り返し地点より自気力を最大に振り絞り疾走することで65位となった。
疾走する城選手

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日本初V笹原廣喜選手
世界に羽ばたくランナー