九州で1,2を争う人気観光地の由布院温泉は温泉の恵み、豊かな自然を満喫しようと多くの観光客でにぎわうそんな中総面積1000坪の敷地にやわらぎの郷「やどや」が2003年4月にオープンして5年を迎えた。

 高齢者から子供や身障者にとてもやさしく全国から泊まりに来る程の人気があるホテル。駐車場は常に県外ナンバーで埋め尽くしており、車イスマーク入りの車が三台停まっていた。建物に入ると、館内がこまやかな気配りにあふれているのがよく分かる。手すりや点字ブロックはもちろん、廊下は「車いすで進みやすいように」とじゅうたんを敷かず、フローリングにしている。ロビーのテーブルも車いす利用者が使いやすいように高さは四十五センチ。浴場のいすも「ひざが鋭角に曲がると、足の弱いお客さまは立ちづらい」との配慮から通常の二倍の高さになっている。

 従業員は慣れない車イスに乗って館内をチェックさせて困難度率を低減させ、日々細かいところまで改善を積み重ねている総支配人の鈴本洋一さんは「人と人との『和』が一番大切。健常者、障害者の垣根なく、人間同士のバリアを完全に取り除いている。ここに来れば誰もが自由に過ごしていただけると思いますよ」と話してくれた。

 私が「やどや」を訪れたのは03年の5月ホームページでバリアフリー度を掲載しているため訪問したのがきっかけで、総支配人の鈴本さんより気に入られ03年7月30日に一泊することになり、更に05年7月23日に2度目の招待があった。そして08年6月28日に宿泊。今回で三度目の泊まりとなった私は来るたびに改善の成果が手に取るように分かりました。部屋のドアー開閉が引き戸と改善され部屋のトイレのドアーはスペースを取らない折りたたみ式となっていた。室内家族風呂・露天風呂にはリフトが付いている。多目的ホール、岩盤湯、ミニトレーニングなどの設置、朝食は洋食と和食となっていた。まさに生まれ変わるやどやに胸が引き締まる思いでした。
  
 全国有数の温泉地だからこそ、さまざまな観光客を最大限のもてなしで
迎える姿勢が必要であるが「やどや」の一歩も二歩も進んだ取り組みには
感心から、感動を覚え、感謝の気持ちにさせてくれた。顧客を選ばず、弱者
のための目線で見てくれる鈴本さんを含め全従業員が一丸となっての活動
によりユニバーサルデザインホテルとして更なる飛躍をすることでしょう。湯の
街・湯布院の魅力をあらためて感じられた。
2008年06年28〜29日レポート

トイレのドアは狭いスペースでも簡単に開け閉めができる

露天風呂にリフトが付いているなんて、全国初!
 操作は簡単、車いすから乗り移ると車輪を外して向きを浴槽に変え、リモコンでお湯加減をみながら沈むことが出来る。これならお尻にと〜てん優しく、重度な方でも入られ介護の方にも楽である。